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Halo vest(ハローベスト)について
三重県立志摩病院 研修医 菅生太朗
はじめまして。平成17年4月より1ヶ月間、整形外科をローテートしております、研修医2年目の菅生といいます。よろしくお願いいたします。
さて、今回の研修で先生方から色々質問されたのですが、その中の1つである「halo vest(ハローベスト)は、何で『ハロー』というのか?」に対し、自分なりの回答を書かせていただきます。
ハローベストとは、頚椎(首の骨)を強力に外から固定する装具で、4本の頭蓋ピンを介してリング(ハローリング)を頭蓋骨に固定し、このリングを体幹装具(ベスト)とを4本の支柱で連結し、頭蓋と体幹を固定することにより、頚椎の可動性を制限するものです。具体的には写真に示すような装具です。
結論から言えば、haloとは“光輪、後光”という意味があり、頭蓋のリングを光輪に見立てているのではないかと思われます。
ハロー装具は、1950年代Nickel V、Perry Jらによって、頚椎の外固定法として提唱されました 1)。適応としては頚椎の骨折が主ですが、頚椎の手術の術後や、頚椎腫瘍・頚椎の脊椎炎などに対し除痛目的で用いられる場合もあります。
頚椎の骨折では、3ヶ月間このハローベストを着用し、その後治癒の状態をみてベストから順次外してゆきます。見た目が非常にゴツく、重そうですが、ハローリングの重さは約500gで、着用した患者の98%以上はハローベストに慣れる ようです 2)。また、着用したまま、社会生活に復帰することは充分に可能です。
治療成績としては、上位(C1-C2)下位(C3-Th1)併せた頚椎骨折の85%がハローベストで治療できた 3) という報告や、頚椎骨折の69%が元通り社会復帰をはたしたという報告があります 4)。ただし、骨折した部位や仕方にもよるようです。
合併症として、患者の36%にピンが緩むということが起こり、20%の患者にピンの感染が起こった 5) とする報告があります。なお、ピンのケアを行えば、この数字を減らすことは可能であり、ピン部位を毎日清潔に保ったりねじの緩みをチェックすることが重要のようです。
以上、とりとめも無くハローベストについて書かせていただきました。
これを書いている現在、整形外科の研修期間も残りわずかとなっております。正直、整形外科というものの気分を味わった程度で、まだまだやり足りない、見たりない気持ちで一杯です。お世話になった先生方、看護士さん、理学療法士の皆様本当にありがとうございました。
1) Nickel V, Perry J, Garrett A, et al. The halo: a spinal
skeletal traction fixation device. J Bone Joint Surg Am 1968;
50: 1400-9.
2) http://www.spineuniverse.com/displayarticle.php/article1480.html
3) Bucholz RD, Cheung KC. Halo vest versus spinal fusion for
cervical injury: evidence from an outcome study. J Neurosurg.
1989 Jun;70(6):884-92.
4) Kontautas E, Ambrozaitis KV, Kalesinskas RJ, Petrulis A. Treatment
of the upper cervical spine injuries with halo vest device. Medicina
(Kaunas). 2003;39(9):872-8.
5) Garfin SR, Botte MJ, Waters RL, Nickel VL. Complications in
the use of the halo fixation device. J Bone Joint Surg Am. 1986
Mar;68(3):320-5.
(平成17年4月)
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